Look This!  Gallery 陶迷庵 − 私のお気に入り * Page 5

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3 Silver Pieces with Roses From MIE様 05/23/05

左から、ウイスキー用のカップ、James Dixon & Sons(1907年)Rose Bowl、Robert Hennel(1849年)Mustard Potです。


9 18th Century Pieces From Rouge様 05/15/05

  Frankenthal plate

グリーンのみの風景画の皿は1756〜58年頃のフランケンタールのものです。
こちらの皿にはP.Hの刻印とライオンの窯印があり、P.Hの刻印は1755年から59年まで、ライオンのみのマークは1756年〜59年まで使用されたようです。1759年以降、選帝侯カール・テオドール時代まで窯印はライオンにPaul・Hannongのイニシャルを加えたものが使用されたそうです。

  Vienna soup plate

大きなブーケを中心に配して、四隅にもブーケを描いたスープ皿は1770年頃のウィーン窯のものです。
バラを代表として、この時代のウィーンの典型的な花絵の皿です。

  Niderviller or Paris plate

1780年頃の花絵の皿はパリ、もしくはニーダーヴィラー窯のものです。
これを購入したディーラー曰く、このバラの描き方と皿の形はニーダーヴィラーのものではないか、との事でしたが、窯印も刻印も無いので判断が出来かねます。

  Furstenberg plate

ロココの典型的な装飾に風景画を描いたものは1760年〜70年頃のフュルシュテンベルグの皿で、同じものがバンベルグのルートヴィヒ・コレクションに入っています。

  Roosdrecht plate

小さなブーケと小花を散らした皿は1780年頃のオード・ロースドレヒト窯のものです。
ブーケは小さいながら描写の細かな絵付けです。

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  Worcester plate

染付けの変形皿は1760年頃のウースター窯のものだと聞いていますが、この窯印が変っています。
顔のある三日月の窯印はボウ窯のものと同じだと聞いたのですが、この皿の形も絵付けもボウに同じものがあると聞きましたので、ウースターによるボウの模倣ではないでしょうか。

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  Clignancourt box

小さなポマード、もしくは白粉入れは1775年頃のクリニャンクール(プロヴァンス伯爵)窯のもので、当時のパリ窯の典型的な花絵はマイセンの<ドイツの花>に対するセーヴルが多用した所謂<フランス風の花>と呼ばれるものです。

 

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Fil de Nevres doll

女性を模った人形は実は高さが僅かに5.5cmほどのガラス製で、フィル・ド・ネヴェール(Fil de Nevers)ネヴェールの針金とよばれるクレーシュ・ドールの一種で、陶器の生産で有名だったネヴェールの修道院で多く作られたのでこの名前があります。
名前の由来は針金で聖書の人物などの形を作り、その上に溶解させたガラスを巻き付けながら作った事によるそうで、ガラス板を張った箱に景色を作り、そこに人形を配置して、聖書の場面などを再現し、クリスマスなどに飾ったそうです。
今では箱に入ったままの状態のものは滅多に見る事は出来ず、稀に人形のみで骨董店で見つける事がある程度です。これは宗教上の人物ではありませんが、羊飼いなどの牧歌的な男女の人形も多く作られたので、それらの中のひとつです。時代は1775〜80年頃。

 

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Tabatier

女性の細密画が入ったタバティエールは1785年頃の鼈甲製で、銅で口金や枠を作っています。タバティエールは当時の貴族の身の回りに常にあった日常品ですが、贅を凝らしたものも多く、コレクターズ・アイテムのひとつです。
このタバティエールは当時のものとしては一級品とは言い難いのですが、鼈甲の質の高さと、何より細密画のレヴェルの高さが優れた一品で、18世紀のこれ程の細密画はパリのアンティーク高級店でもなかなか見る事が出来ないものです。中に画家の名前と描かれた人物の名前を記したチケットが入っているのですが、判別不能で残念ながら誰なのかは判りません。
描かれた女性の髪型と服装は1780年代中頃の典型的なスタイルで、このタバティエールが作られた頃にフランスでは有名な『王妃の首飾り事件』がおきて、フランス革命の起因になりました。この頃には貴族文化も退廃の度合いを増し、1750年頃のポンパドゥール候爵夫人の影響下にあった洗練されたロココ文化は旧時代のものとなり、奇妙奇天烈なファッションが流行したのも、こうした社会情勢の不安の表れであったといわれています。


Meissen & Sevres C/S From 黒い笛様 05/08/05

   

   

(上・マイセン)
  兼用カップ?(カップ口径87ミリ、高さ62ミリ、ソーサー口径137ミリ)
  製作年代19世紀後半〜1924年
  黄色地に手書きで恋人画、花束画、金彩
  黄色は淡いレモン・イエローで繊細だが、私の趣味から外れた華美な作品。
  絵付けの状態が良かったので「血迷って」入手。

(下・セーブル)
  リトロンのレジュラーカップ。(カップ口径64ミリ、高さ64ミリ、ソーサー口径134ミリ)
  制作年代1883年(成型、装飾)
  白地に非常に淡いタッチで恋人画、武具(弓矢)画、金彩
  マイセンとほぼ同じ頃入手したが、こちらは全体的に落ち着いた雰囲気で私好み。
  白の発色はやや力感に欠けるが絵付けは丁寧。


Medici, Cozzi, Naples, Chelsea, Tournai From Rouge様 05/05/07

    Medici

ルーヴルで撮影した最初の磁器といわれるメディチ磁器(1574-1620)

  Cozzi

イタリアの古窯コッツィ(1764-1812)の伊万里写し

  Naples

イタリアの古窯ナポリ(1771-1834)の花絵カップ

  Chelsea

唯一持っている1760年頃のチェルシー窯、ゴールド・アンカー時代のカップとソーサー(其々単品)

  Tournai

黄色のカップ&ソーサーは1775年頃のトゥルネーのもので、セーヴル写しです。


10 18th Century Continental C/Ss From Rouge様 05/05/05

  1.Doccia

皿は田園風景に女性を描いたものが1790年頃のドッチア窯のもので、窯印はありませんが、縁取りの金彩がドッチア特有のものなので判断出来ます。

  2.Zurich

湖畔の風景を描いたものは1770年頃のスイス、チューリッヒ窯のもので、通常チューリッヒにはカフェや茶関係のものは残されているのですが、皿はあまり残っていないそうです。
これは皿などの食器類は漁業権を得る代わりに領主に差し出したために一般的な使用とは制作意図が異なっていたためだそうです。

  3.Frankenthal

正円で縁に赤い縁取りのみで装飾の無い花絵のものは1759年のフランケンタール窯のもので、初期のフランケンタール独特の淡紫、黄の絵の具、乳白の素地を持っています。

  4.Paris

金彩の縁取りと花綱模様に薔薇とスミレの散らし柄の皿は窯印はありませんが1785年頃のパリ窯のものです。

  5.Tournai

リボンで装飾したメダイヨンに薔薇のブーケを描いた皿は1775年のベルギーのトゥルネー窯のもので、1830年頃まで作り続けられたシリーズの最初期のものです。

  6.Ludwigsburg

大きな薔薇と水仙や雛菊のブーケの描かれた皿は1770年頃の典型的なルートヴィヒスブルグ窯の花絵です。

  7.Nyon

ピンクと黄色の薔薇、スミレのブーケのティー・ボウルは1785年頃のスイスのニオン窯のものです。
ニオンはジュネーヴ近郊の窯でフランス語圏の土地柄からフランスからの影響を大きく受けた窯で、当時のパリ窯と比較しても絵付けの点で類似点が多く、一見では判断出来ないほどです。

  8.Roosdrecht

風景の描かれたティー・ボウルはオーデ・ロースドレヒト窯の1775年頃のものでアムステル窯と同じ経営者によるオランダの小窯です。

  9.Sevres

ブルーの山うずらの目模様に薔薇の散らし柄のカップは1768年のセーヴルで絵付け師は判っていません。
高さが4cmほどの小さなカップでリトロンと呼ばれる通常のカップの3号サイズより小さいミニョネットと呼ばれるカップです。

  10.Sevres

真珠繋ぎと薔薇と矢車菊の連続模様は1791年頃のカップです。真珠繋ぎと矢車菊の模様はマリー・アントワネットの好んだ柄で、ルイ16世時代の特徴的なデザインです。


Meissen & KPM Batavia C/S From まゆき 01/01/05

   

   

いずれもカップとソーサーの外側を鉄釉(錆釉)で被い、内側に染付で中国風の絵が描かれた「バタビア手」です。
上段はマイセンで1750年頃前後、下段はKPMで1780年頃前後かと思われます。

錆の茶色はKPMの方が濃いのですが、どちらも光の加減でラスターっぽい光沢が現れます。
マイセンの染付けはだみの濃淡が美しく「マイセン染付の300年(Meissener Blaumalerei aus der drei Jahrhunderten)」という本にも載っていませんでした。珍しい図柄だと思います。
これらの本歌は中国だと思うのですが、いつか手に入れてみたいものです。

参考: a.マイセン マルコリーニ期C/S  b.中国 清康煕期ボウル  c.4つの錆釉比較
    追加:マイセン aと同柄(1760年頃)


Moorcroft Vase From MIE様 11/29/04

MIEさんが紅葉を活けられた提灯型ベースです。
紅葉との取り合わせをご想像下さい。


Minton Vase From KEI様 10/10/04

     

1870年代 ミントン社 クリストファー・ドレッサーデザインベース
高さ約20cm

このベースは厚いミントンブルーのガラス釉にまったく貫入がなく、金彩の摺れも殆どない、非常に状態の良い物です。
日本の某店のHPに2年近く掲示されており、価格も良心的なのですぐに売れると指をくわえて見ていたのですが誰も買わず、「私が買うっきゃない!!!」と覚悟を決めて購入いたしました。


Blue & White Plate 明末景徳鎮 古染付 From MIE 様 09/19/04

ウィローパターンの本歌かも?


Richard Ginori Grotesque Pattern Flask Bottle, Dish, Vase From まゆき 09/10/04

     

     

いずれも19世紀末頃に作られたジノリのファイアンス作品。
フラスク(扁壺)は高さ28cm、小皿は長径15cm、ベースは高さ15cmです。

いわゆるグロテスク柄ものですが、奔放な筆遣いがおおらかなイタリアっぽくて何故か惹かれてしまいます。
16世紀に作られたラファエロ様式の装飾を引き継ぐものらしいのですが、人面に動物の下半身に羽、こういう姿がどうして創造されたのか、興味は尽きません。
フラスク中央の羽を持った女性はハーピー(Harpy)と呼ばれる怪物だそうです。両側のおじさんはバッカスでしょうか?
フラスクと小皿は伝統的な図柄ですが、ベースは少し趣が違い、人物の髪型が現代的でネクタイをしていたり、茶色で描かれた女性がモダンだったりと、この柄の「進化」が伺われて面白いです。


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