サンフランシスコ・ベイエリア地区にもたくさんの骨董市(Antique Show & Sale、一般にアンティークショーと呼びます)やフリーマーケットがあります。旅行のスケジュールが合えば、ぜひ行ってみてください。
ここでは、私のような陶磁器好きの方に向いた催しをピックアップしてみました。◆ 無料の市と有料の市
まず、骨董市には入場無料の青空市と、大きなホールで行われる有料のものとがあります。当然、高級(高額)なものは有料のショーのほうに集中します。入場料はだいたい$5程度で、2〜4日間開かれます。
もしマイセンやセーブルなど高級陶磁器をお探しでしたら、青空市はパスして、有料のショーに行った方がいいでしょう。
また日用雑貨や掘り出し物を求められるなら、青空市やフリーマーケットです。これらは、だいたい毎月決まった日に決まった場所で開かれます。◆ おすすめアイテム
アメリカは移民の国。アンティークも世界中のものが揃います。
ただし国が新しいので、全般的に19世紀前半以前のものはあまりありません。 その代わり、19世紀後半〜20世紀前半のものは、アメリカが豊かになっていたので豊富にあって狙いめです。ただこの時代のものならヨーロッパ陶磁器も何でもあるか、というと、そうでもありません。
アメリカ人の好みに合わせた「アメリカ向け」シェイプや絵付けがあるようなのです。Chintzと呼ばれるファンシーな小花柄とか、金属的な光沢のラスター彩でゴージャスに仕上げたものなどがアメリカ向きのようです。また私のいる西海岸はアンティーク的に言えば僻地です。やはりヨーロッパに近く、歴史のある東海岸の方が、ものは多いようです。
とはいえ、お金持ちが集まる所にアンティークも集まってきますから、カリフォルニアでもLAではここより質量ともに優れたショーが開催されています(まだ行ったことがありません....)。陶磁器では、経験的に次のものがアメリカ「特産」おすすめアイテムです。
- Art Decoもの全般
でも、スージークーパーやClaris Cliffなどは、なぜかあまりありません。期待しないでくださいね。
- Limoges
柔らかい色調、優しい花柄がアメリカ人好みなのでしょう。豊富にあります。
- Shelley Dainty Whiteもの
他のシェイプはあまりなく(あっても高い)、このシェイプの花柄が多いです。
- Noritake, Nippon, Occupied Japanもの
ラスター仕上げのアールデコ柄が多いです。人気ジャンルなので、贋物も多いようです。ご注意を!
- 19世紀後半〜1930年代のマイセン他
ヨーロッパの窯はこの時期大量にアメリカに輸出していたので、古さにこだわらなければ食器、フィギュアともかなりあります。ただし、特注品など本当に凝ったものはあまりありません。やはり贋物にご注意!
- Roseville, McCoy
アメリカの陶器の窯。ヌーボー、デコ風の作品が多いです。アメリカ人(だけ)にすごい人気ですので、値段も高い!
ティファニーも愛国心溢れるアメリカ人に超人気ですが、お高いのはガラス(ランプ)、銀器、ジュエリーで、陶磁器はそうでもないです(陶磁器の場合はヨーロッパ窯のOEM製品なので当然かな)。◆ おすすめショー
サンフランシスコの南、いわゆるシリコンバレーに住んでいますので、サンフランシスコやそれ以北のショーはよく知りません。ここでは、私が独断で選んだご近所のおすすめショーをご紹介します。
- Hillsborough Antique Show & Sale
@San Mateo Expo Center (Next to Bay Meadows at Delaware & 25th, San Mateo)
次回のショー:11月15-18日イチ押しのショー。マイセン、セーブルの超高級品からお手ごろなカップ&ソーサーまで、幅広い品揃えです。
もちろんノリタケや伊万里などの和もの、中国のもの、何でもあります。
集まる業者の数は500以上、2つの大きなホールがブースで埋まります。陶磁器の他にも家具、ジュエリー、服、雑貨、時計なども豊富。きちんとチェックしていけばたっぷり1日かかります。
ただ難点は旅行者の方にとってはサンフランシスコよりかなり南なので、車でないと来にくいところです。
- Bustamante Antique Show & Sale
@San Francisco Fort Mason (Bay St. & Buchanan St., San Francisco)
次回のショー:8月末?旅行者の方にはサンフランシスコ市内のこちらがおすすめ。規模は上のサンマテオのショーより小さいですが、品揃えは同様にバランスが良いです。客層が良いので、規模は小さくとも業者さんは気合を入れて良いものを並べています。しかし近年はこのショーも規模が縮小気味…
今年から海沿いのFort Masonに会場が移りました。Piar 39 にも近いし、交通も便利です。
- Bustamante Antique Show & Sale
@Santa Clara Convention Center (Great America Pkwy & Tasman, Santa Clara)
次回のショー:8月10-12日シリコンバレーのサンタクララであるショー。主催者は同じなのですが客層がイマイチなので、業者の気合度もイマイチ。
駐車場も無料だし、近いのでもっと充実して欲しいのですが......。どうもシリコンバレーは街が新しいせいかアンティーク文化が開花していないようです。
- Art Deco-60s Show & Sale
@San Francisco Concource Exibition Center (8th & Brannan St., San Francisco)
次回のショー:12月アールデコ好きの方はこちらもチェック。陶磁器はあまりありませんが、家具や照明などのインテリア用品に素敵なものが揃います。さらにデコのビンテージ服、ラジオ、トースター、電話など、好きな方にはたまらないはず。
アメリカ人はデコが大好きですので、ここでご紹介したショーのなかで一番活気があります。
- Sunnyvale Monthly Antique Show & Sale(無料)
@Sunnyvale Downtown Parking
毎月第3日曜日シリコンバレーSunnyvaleダウンタウン駐車場で開かれる青空アンティーク市。青空市ですとガレージセールの寄せ集めのような感じのものが多いですが、その中でもここはまだ面白いものがたま〜に見つかります。
- De Anza College Flea Market
@De Anza Collage Parking
毎月第1土曜日シリコンバレーCupertinoにあるカレッジでのフリーマーケット。入場料$3が必要。
アンティークと呼べるものはあまりないですが、いわゆる中古品や新品の日用品が安く売っています。古道具好きな人は楽しめそう。かなり規模が大きく、ざっと見てまわるだけでもかなり時間がかかります。
◆ 買い方
やっぱり早い者勝ちなので、これはという探し物があるなら早めに行く方がいいでしょう。
日本から来れば、(当然ですが)ほとんどのものが安いです。でも、お手持ちの予算でより良い買い物をするためにも、臆せずきちんと交渉して、納得できる値段で買ってください。(特に日本からの旅行者と見るとふっかけられるかも知れませんから。)モノを見たい時は必ず「見せてください」と断ってください。心ゆくまでどんなものでも見て触らせてくれます。
基本的に返品はOKですが、特に旅行でいらした方は後日になると難しいですから、ここできちんとモノの状態をチェックして下さい。それから、値切りたいならやはり現金で買いましょう。残り物には福があるといいますが、経験的にショーの最終日終了間際に交渉すると、たくさんまけてもらえます(それまで狙ったものが売れ残っていればの話ですが)。さらに、経験的にあなたが女性なら、男性店主の方がよりまけてもらえる確率が高いです。(^^;)
◆ 情報の集めかた
街角にあるフリーペーパースタンドで自由に取れる「Guardian」「Metro」などには、地域のエンターテインメント情報やアンティークショーの情報も載っています。
また、アンティークショップにたいてい置いてあり、無料で手に入るアンティーク新聞には、更に詳しくお店情報やショーのスケジュールが載っています。アンティークショー会場でも、この種の新聞や案内状は無料で手に入ります。ディスカウントチケットになっていたりもするので、忘れずにもらって帰りましょう。それではGood Luck!